６５・彼にインタビュー
（テーマソング）
やっほーやほー ぼく タンちゃん わんわんわわん ぼくペロくん
はたらくおじさん はたらくおじさん こんにちは
タンちゃん「全国のみんな、こんにちは！ 『はたらくおじさん』のタンちゃんだよ！」
ペロくん「ぼくはビーバー なんだってビーバー おまけにビーバー ビーバービーバー 遺影、いやちがったイエイ！ バクさあん」
タ「キャラが違うだろっ」
ペ「ごめえん。許してワン。きゅうんきゅうん」
タ「急に犬らしくなるなよ」
ペ「でもこれって『はたらくおじさん』から『はたらくひとたち』に題名が変更になったんだよね。男女雇用機会均等法の余波を受けてさ。『たち』のところが歌いづらくて仕方がないったらありゃしない」
タ「急に社会派になるなよ」
ペ「あとは『いちにのさんすう』！ 『白いひよこが八羽、黄色いひよこが三羽、合わせて何羽なのだろう？ 数えてみよう、いーち、にーい、さーん、あれれ、動き回るからわからなくなっちゃった』っていい歳した大人がなぜ数えられないんだ！ アナウンサーだろ！ それからお前は何者だタップ！」
タ「そういう設定なんだって」
ペ「それから理科！ ミルちゃん・キクちゃん・ナンダロウくんって、なぜナンダロウくんだけ不細工なんだ！ ミルちゃんキクちゃんがカップルになるのは既定事項なのか！」
タ「でも変な道具を持ってくるのはナンダロウくんだぞ。強力磁石とか」
ぺ「あと道徳の『みんな仲よし』の服部さん！ いつも話をまとめる意見を出して、おいしいとこ独り占め！ 忍者のくせして！ でも可愛いから許す」
タ「何者だお前」
ペ「じゃあ今日は、雑文書きの仕事場を見学しにいくよ！ なるなるタンタンへそのゴマ」
タ「番組が違うっ。それは『マンガ初めて物語』だろ」
タ「ここがパトリックさんのアパートだね」
ペ「パトリックって、どんな雑文を書く人？」
タ「ええと……、海外旅行の話とか、カーナビとの掛け合い漫才、コンピュータや英語の話もちょっと、最近ではもてない男のせつない話が多いね。読書やアルコール類のページもあるね」
ペ「プロフィールは？」
タ「スコッチとアイリッシュウィスキーをこよなく愛する、ナイーブでインテリなシティボーイだそうだ」
ペ「あ、そう」 ぴんぽーん。
パトリック「どつらさんですか」
タ「『はたらくおじさん』の取材です」
あ「んだたけ。ああんだんだ、今日来るてゆでだげな。まんずせめども入ってげれ」
ペ「しまった、ここは秋田だったか」
タ「うわあなんですか資源ごみ回収ボックス一杯のビール缶は。上には突っ張りポールで洗濯物が干してありますね。おっと本棚には『キン肉マン』がコンプリートですね」
あ「『キン肉マン二世』もだす」
――雑文をお書きになったきっかけは。
「雑誌でとある雑文サイトが紹介されていて、自分でも書いてみようと思ったからです（共通語に翻訳済み。以下同）」
――本業は何をされていますか。
「それは勘弁を。洒落にならないから」
――雑文のアイデアはどんなところから出てきますか。
「基本的には、ちょっとした実話を膨らませたのが多いですね」
――失恋ネタもですか。
「ノーコメント」
――森内閣の支持率が低いことについて、どうお考えですか。
「ノンポリですから……」
――雑文開始当初は月七・八本ペースでしたが、最近では二・三本ペースですね。実生活で鬱屈を溜めている人ほどウェブサイトの更新が頻繁で、病気や事故を除けば実生活がうまくいっている人は更新が少ないという説がありますが、パトリックさんのは単なるネタ切れですか。
「その『ありますが』以前になんの意味があったんだよ」
――最近の雑文界に何か言いたいことはありますか。
「いや……特に……」
――一つぐらいあるでしょう。
「ではいいですか。（息を吸う）
I have had too much talking about your love affairs. Do not inform such things of yours on portal sites. I cannot enjoy just a diary without any jokes, humor, pathos, or surprising endings, which says only dalliance. ぜいぜい」
――軟弱者。……やはり特にどれが、とは言えませんか。
「そうそう」
――前略の結び。
「草々」
――立派だなあ。
「錚々」
――では出棺の時間です。
「葬送」
――マイン・カンプは、わが
「闘争」
――じりじりしちゃう。
「焦燥」
――ハイカラな格好しているね。
「洋装」
――チベットにいそうだよね。
「老僧」
――乱世の奸雄、治世の能臣。
「曹操」
――曹真の息子。大将軍。
「曹爽」
――その曹操の諡（おくりな）は武帝ですが、魏の武帝なので魏武。では唐の太宗は。
「唐宗」
――ところで以前の雑文に恋人が出ていませんでしたか。
「妄想」
――クリスマス用にラッピングしてください。
「包装」
――あれ、パトリックさん、顔色悪いですよ。
「……ちょっとトイレに」
ペ「ねえねえ、タンちゃん」
タ「なんだい」
ペ「以前、掲示板でさ、１２月上旬はユニット雑文とジョンレノン雑文祭、２５日ころにクリスマスものを書くと宣言していたみたいだけれど、なんで今ごろこんなのを書いたのだろうね」
タ「……あ。開けられていないスパークリングワインがあるぞ。『クルーズ・ヴァン・ムスー』だって」
ペ「こちらには緑と赤の包装紙。あれ、自分のカードが付いているぞ」
タ「ということは」
ペ「雑文のネタを期待していたのに、うまくいかなかったとか」
タ「それしかないワン。パトリックさあん、クリスマスイブはどうなったの」
タ「いないぞ。逃げられた」
ペ「逃走」