３３・うる星きゃつら

「ほしで始めればいいんだな」
「その通りよ。先手必勝、干し芋が欲しいの」
「ホシガレイを欲しがれい」
「干し飯が欲しいい」
「干し鰯が欲しいか」
「なかなかやるわね」
「全国一千万の『エレメンタルノート』ファンのみなさん、こんばんは！　そして全国１２９名の『ターコイズ』ファンのみなさん、こんばんは！」
「何その１２９名って数字は」
「この一月に複数回ウェブログを訪れた人数です。どうもありがとうございます。……そうではない、四回目の対決だな、ミス・ターシャレ」
「今回こそ勝負をつけるわ、パトリック。次はいつになるかわからないから」
「身も蓋もない」
「まずは『この手の届く距離』だよ」
「オタワからきた芽花野菜」
「カナダのブロッコリー。正拳突き！　回し蹴り！　ヒット！」
「危ないな。空手の届く距離。これ以上は貨物は届けられないよ」
「コンテナ届く距離。こういう手押し車ならインディも喜ぶね」
「この手のトロッコ、いい。」
「つらいね」
「つらいな」
「次のお題に行きましょう。香辛料が切れていたよ」
「ギャバンできなかった。ああ、よろしく勇気、宇宙刑事って言いたかったのに。ええと、仏教寺院建築不可能」
「伽藍できなかった。スケッチしたいんだけど」
「画板できなかった。蛇口をどう取り付けたらいいのだろう」
「カランできなかった。袋を縫うのは難しいなあ」
「鞄できなかった。景色を見たかったけれど、外の通路がなかった」
「我慢、デッキなかった。火事で森林が燃えちゃった」
「火難で木なかった。ところが今日は月曜日、鍵を持っていない」
「が、Monday、キーなかった。白カビ熟成チーズが売り切れです」
「カマンベールなかった。花だけでなくマッシュルームも売っている」
「花壇でキノコ買った。山が噴火して外出できません」
「火山で来なかった。スターシアが……スターシアがやられる……。このままあの砲門に突っ込め！」
「タラン！」
「……そこから先が思いつかなかった」
「我慢できなかったのね」
「……」
「それがありなら何でもありね。では三つ目、牛」
「来たな」
「来ました」
「ＮＧワードは言わないようにな」
「わかっているわ」
「虫歯のこと、齲歯」
「お茶が有名、宇治」
「イスラエルのサブマシン、ウズィ」
「午前一時から三時まで、丑」
「ポーランドの都市、ウッチ」
「ドイツ生まれのアナウンサー、ウッチー」
「火の鳥鳳凰編の浮浪児、ブチ」
「楽器の指使い、運指」
「ちりんちりん国学者の先生、大人」
「なかなかやるわね」
「はあはあ」
「なんで息を乱しているの」
「あ。見て。流れ星だ。願い事をしよう」
「来年もいい年でありますように」
「それは第七回だ」
　――こうして今回も決着はつかず、有耶無耶のうちに終わるのでした。だって二人が見たのは、試合ほうき星。