６８・絵に描いた家具

「こんにちは」
「どうもどうも」
「雑文祭2013も無事に閉幕しましたね」
「主催者なのに十日も遅刻です。どうもすみません」
「どうして遅れたの。理由は」
「理由はありません。ただの怠惰です」
「駄目でしょ。いくら駄目人間だからって」
「それでは行ってみよう、ひとつ目のお題『スペース』」
「だから外来語はやめようって言っているのに」
「トランプの黒いやつ」
「それはスペード」
「プロセッサは486DX4でRAMは32メガ、ハードディスクはIDEの300メガ」
「それはスペック。しかも古いし」
「イベリア半島の大きい方の国」
「それはスペイン」
「ガンプラだと百分の一とか百四十四分の一とか」
「それはスケール」
「段ボールに隠れて忍び込むスパイ」
「それはスネーク」
「ボンジュール、愛してるよ」
「ジュテーム」
「のんびりやろうよ」
「マイペース」
「標語を教える喫茶店」
「シュベ−ル」
「サイコガンでズギューン！　テレビ版ね」
「スペースコブラ」
「水槽に紛れ込んだ貝類」
「それはスネール」
「スネールにはかたつむりという意味もあるな。では第二のお題、『無理無理ムリムリかたつむり』だ。この設定が無理だ」
「冬が旬、小さい頃はイナダ、ワラサ」
「ぶりぶりブリブリ出世魚」
「この世で一番好きなのはお料理すること食べること」
「ぐりぐらぐりぐらパンケーキ」
「あのパンケーキ、おいしそうだったね」
「ただの拾い食いだけどな」
「ボブの絵画教室」
「塗り塗りヌリヌリ簡単でしょう？（簡単じゃない）」
「ハトみたいな水鳥」
「滋賀の県鳥カイツブリ。もう駄洒落でさえないな」
「やめましょう。ラストは『ぞろぞろ、つるつるなど反復型のオノマトペ』よ」
「フレーズじゃない」
「ただの説明ね」
「ではラストは一つずつ」
「ふわとろ、もぐもぐなど満腹型のオノマトペ」
「こんばんは、石田三成です。反徳川、ノーとまとめ」
「なによそれ、ぞろぞろ、つるつるがないじゃない」
「実家が雑貨屋でね。商売繁盛とお稲荷さんに願をかけたら、草履を売っても売ってもぞろぞろとわいて出てくるんだ。それを近所の床屋が同じように願をかけたら、剃ったばかりのひげがぞろぞろと生えてきた」
「つるつるは？」
「井戸替えの夢を見ました」
「井戸なんて今の人はわからないよ。えい、槍で脇腹を突いたつもり」
「血がだくだくと出たつもり」